Oncotype DX検査は

概説

概説

Oncotype DX Breast Recurrence Score

Oncotype DX検査は、化学療法が奏効する可能性と10年間の遠隔再発リスクを予測し、一部の早期浸潤性乳癌患者におけるアジュバント療法の意思決定に役立つ情報を提供する21遺伝子アッセイです。

Oncotype DX検査:

  • 治療上の意思決定を支援します - Oncotype DX®検査は、ASCO®、NCCN®、St. GallenおよびESMO®のガイドラインに採用されています。
  • 医師と患者の治療方針の意思決定に有用な情報を提供し、意思決定の信頼性を高めます。複数の試験が、この検査の結果は約30%の症例の乳癌治療の意思決定を変更させることを示唆しています1-8
  • 臨床的有用性が拡大しています – 現在の改良版レポートには、ER、PRおよびHER2の定量値が含まれています。

バリデーションとオーダーの豊富な実績

  • Oncotype DX検査の臨床的価値は、総計4,000人近くの患者を対象とした複数の臨床試験で実証されています。
  • Oncotype DX検査は、これまでに世界で40万人を超える患者さんに情報を提供してきました。
  • 90か国以上の19,000人を超える医師がOncotype DX検査をオーダーしています。
  • Genomic HealthはCLIA認証およびCAP認証を取得したレファレンス・ラボであり、癌ゲノミクス分野のリーダー的存在です。
  • 臨床バリデーション

臨床的有用性

Oncotype DX検査は、次のような患者に関する臨床経験情報を提供します:

  • 閉経前および閉経後のリンパ節転移陰性、ホルモン受容体陽性の浸潤性乳癌患者

および

  • リンパ節転移陽性*、ホルモン受容体陽性の浸潤性乳癌患者

*リンパ節転移陽性の閉経後の患者において、遠隔再発予測および化学療法効果予測の臨床評価がなされています。リンパ節転移陽性の閉経前、化学療法を受けた患者において、遠隔再発予測の臨床評価がなされています。

Japan Stage

再発スコア(Recurrence Score)結果とは?

乳癌は不均一な疾患であるため、その連続的なバイオロジーを調べて個別の患者のリスクを把握することができる検査の存在が重要となります。再発スコア(Recurrence Score)結果は、10年間の遠隔再発リスクを個別に推算し、化学療法が奏効する可能性を予測する連続的スコアです。二値結果(低リスクか高リスクかのみ)ではなく連続的スコアが得られるのは、PCRの定量的性質によるものです。この方法は、医師と患者に個別のスコアを示し、治療計画立案に役立つ情報を提供できるようにデザインされています。

Japan Recurrence

基礎テクノロジー

Oncotype DX®検査のプロセス

Oncotype DX検査は、多遺伝子診断検査として、個別化した治療計画の立案を支援するようにデザインされています。この検査は、化学療法の効果と遠隔再発のリスクを定量的に評価し、一人ひとりの患者への治療計画個別化の信頼度を高めることができます。

Oncotype DX検査は、この検査を開発した認証取得済みのGenomic Healthラボで実施されます。まず、乳癌の腫瘍サンプルからRNAを抽出し、精製します。次に、リアルタイムRT-PCR(逆転写ポリメラーゼ連鎖反応)と呼ばれる技術を使って、そのRNAを分析します。最後に、遺伝子発現結果から再発スコア(Recurrence Score®)結果を計算します。

RT-PCRの利点

Oncotype DX検査は、RT-PCRと呼ばれる技術を使って腫瘍サンプル中の21遺伝子群の発現を分析します。これらの遺伝子の発現を同時に分析するために、ハイスループットのリアルタイムRT-PCR法が開発されました。これは感度、特異度、および高度な再現性を備えていて、広いダイナミックレンジを示します。RT-PCRは成熟したテクノロジーであり、HIVのウイルス量検査など、いくつかの臨床応用でルーチン使用されています。

遺伝子発現を定量するには、腫瘍のホルマリン固定パラフィン包埋組織(FPET)からRNAを抽出し、DNase I処理を施します。総RNA含有量を測定し、DNAが混入していないことを検証します。384ウェルのプレートで逆転写、次に定量的TaqMan®(Roche Molecular Systems, Inc.)RT-PCR反応を実施します。16遺伝子それぞれの発現を三重測定し、5つの標準遺伝子セットに照らして相対的に正規化します。

Oncotype DX検査の標準化検査法は、以下による変動を最小化するように最適化されています:

  • 組織調製法:FPETか新鮮凍結か
  • 腫瘍ブロックの採取後経過時間、貯蔵および調製のばらつき
  • FPETブロック内およびブロック間の不均一性
  • FPETブロック内の腫瘍が豊富な部分と存在しない部分の不均一性

Oncotype DX検査の開発

Oncotype DX検査は4つのステップを経て開発されました。各ステップの詳細は以下のとおりです。

  1. ホルマリン固定パラフィン包埋組織(FPET)の遺伝子発現を定量する方法の最適化
  2. ヒトゲノムからの250の候補遺伝子の選択
  3. 臨床バリデーションに最適な遺伝子群を特定するための候補遺伝子の検査
  4. 21遺伝子群の前向き臨床バリデーションおよび再発スコア™結果の計算

ステップ1:ホルマリン固定パラフィン包埋組織の遺伝子発現を定量する方法の最適化

ホルマリン固定パラフィン包埋は多くの国で腫瘍を保存・貯蔵するための標準的方法となっているため、FPETサンプルに対応できることが決定的に重要となります。組織をパラフィンに包埋するとRNAは断片化しますが、遺伝子間のRNAの相対比率は変化しません。RT-PCR技術を利用することにより、ほとんどの遺伝子の発現を標準遺伝子セットに照らして相対的に測定することができます。Oncotype DX検査の開発にあたり、Genomic Healthの研究者たちはRT-PCRテクノロジーを、1)FPET中の特異的RNAのハイスループットなリアルタイム定量が可能になるように、また2)腫瘍ブロックに内在するばらつきに関係なく再現性が得られるように、最適化しました。

ステップ2:ヒトゲノムからの250の候補遺伝子の選択

Genomic Healthの研究者たちは、多くの情報源を頼りに、ヒトゲノムの約25,000の遺伝子の中から、乳癌の腫瘍挙動に関連している可能性のある250の候補遺伝子を特定しました。

ステップ3:臨床バリデーションに最適な遺伝子群を特定するための候補遺伝子の検査

無遠隔再発生存率と強く相関する遺伝子群を特定するために、3つの独立した臨床試験の合計447人の患者について250の候補遺伝子を分析しました。この3つの臨床試験の結果に基づき、乳癌遠隔再発との間に一貫した強力な統計的関連性が実証された16の癌遺伝子を、Oncotype DX検査に使用する遺伝子として選択しました。また、これらの癌関連遺伝子の発現を正規化するための5つの参照遺伝子を特定しました。さらに、これらの試験に基づき、この遺伝子群からの遺伝子発現データを単一の結果へと統合した再発スコア結果を計算しました。

ステップ4:21遺伝子群の前向き臨床バリデーションおよび再発スコア結果の計算

Oncotype DX検査の遺伝子群および再発スコア結果のバリデーションを、大規模な独立した多施設共同臨床試験(NSABP Study B-14)およびNorthern California Kaiser Permanenteの乳癌患者を対象とした大規模な集団ベースの症例対照試験で実施しました。評価項目と分析デザインは前向きに定義しました。これらの試験の結果はASCO 2004におけるBest of Oncologyセッションの内容の一部とされ、NSABP B-14臨床バリデーション試験の結果はNew England Journal of Medicine(2004年12月30日号)に掲載されました。

再発スコア結果の計算に使用する21遺伝子群

Oncotype DX検査の遺伝子群は、新鮮凍結組織で実施したDNAアレイに基づく実験から選択しました。再発スコア結果のアルゴリズムは乳癌患者に関する3つの試験から導き出したもので、複数の独立した試験でその臨床バリデーションを実施しました。

  • 再発スコア結果は、16の癌関連遺伝子と、これらの癌遺伝子の発現を正規化するために使用する5つの標準遺伝子から計算します。
  • 臨床試験では、この16の癌遺伝子が乳癌遠隔再発と一貫した統計的関連性を示すとともに、化学療法の効果について有意な予測力を持つことが実証されました。

再発スコア結果の計算に使用する21遺伝子群:
3
つの試験から得られた
16
の癌遺伝子および
5
つの標準遺伝子

定量的単一遺伝子スコア

現在のOncotype DX®検査のレポート(2008年9月20日以後のすべてのレポート)には、エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)およびヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)の遺伝子発現の、RT-PCRによる定量的スコアが含まれています。ER、PRおよびHER2の3つは、再発スコア™結果を求めるために測定される遺伝子の一部です。

ERおよびPR

ERについて

  • RT-PCRによる連続的測定:
    ER/PR発現状態は、アジュバントホルモン療法の使用の決定およびその効果の推定において極めて重要となります。乳癌は広域に及ぶホルモン受容体発現を示しますが、RT-PCRはこの連続性を正確に伝えることができます。RT-PCRは、それぞれ3,000倍および1,000倍の範囲にわたるERおよびPRの遺伝子発現を連続的分布として測定することができます。

    定量的ERスコアは、個別の患者におけるタモキシフェンの効果の大きさを判定する助けとなることにより(ERスコアが高いほどタモキシフェンが奏効する可能性が大きい)、治療の意思決定に、より多くの洞察を提供することができます。


ファイルデータ 12/30/2004付け

  • 一致率:
    Oncotype DX検査は、RNAレベルで遺伝子発現を測定することによりERとPRの発現状態(陽性または陰性)を判定します。Oncotype DX検査とタンパク質レベルでERとPRの遺伝子発現を測定する免疫組織化学(IHC)で判定したERとPRの発現状態は、高度に一致しています。

    ECOG(E2197試験、769患者サンプル)およびNorthern California Kaiser Permanente(607患者サンプル)とともに試験を実施しました:

  • ER/PRと再発スコア結果の関係:
    高ERレベルでは、再発スコア結果は低くも高くもなり得ます。再発スコア結果は、ERレベル(タモキシフェンに対する反応に関連)と他の遺伝子の発現を組み合わせたものです。再発スコア結果は、ER+集団に5年間のタモキシフェン治療を施した場合の10年目の遠隔再発について、ER/PR発現状態単独よりも優れた予測因子となります。

HER2

HER2について

HER2は乳癌患者に対する治療の意思決定において重要なマーカーであり、その測定は治療法の選択に大きく影響します。

  • 定量的HER2情報:
    Oncotype DX検査によるHER2スコアは、臨床医と患者がHER2発現状態を判定するためのもう1つの測定値であり、個々の患者の乳癌の腫瘍バイオロジーについてさらなる洞察を提供するものですが、予後の評価と化学療法の効果予測には、再発スコア結果が最良のツールとなります。
  • IHC12およびFISH13との高度な一致:
    Oncotype DX検査のIHCおよびFISHとの一致率は、ASCO®/CAPガイドラインのHER2発現状態の判定について95%という要件に適合し、またはそれを上回っています。



  • 追加的臨床情報:
    定量的HER2スコアはすでに再発スコア結果の成分となっているため、Genomic Healthは、治療計画の立案をOncotype DX検査に頼っている多くの臨床医から、これもレポートに含めるよう求められてきました。

    – その目的は、特にIHCおよび/またはFISHの結果が境界域(equivocal)の場合またはFISHとIHCが一致していない場合に、さらなる明確なデータを提供することにあります。
  • 現行検査の限界への対処:
    分析前のばらつきの影響は、Oncotype DX検査の定量的RT-PCRが実践しているような、定量的遺伝子発現評価における「正規化」戦略の活用により、最小化することができます。

リンパ節転移陽性患者へのOncotype DX®検査の使用

Oncotype DX検査は、リンパ節転移陰性および陽性患者の両方について再発リスク情報を提供します9

Trans ATAC

Trans ATAC
タモキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬による治療を受けた閉経後の浸潤性乳癌患者1,231人(うち1,178人がER陽性でリンパ節転移陰性または陽性)の保存検体を用いた前向き解析。リンパ節転移陽性患者306人のうち、79%が陽性リンパ節転移1~3個、21%が4個以上、および4%がリンパ節転移状態不明でした。平均年齢は64歳で、67%が腫瘍径2.0 cm以下でした。

Oncotype DX検査はリンパ節転移陽性患者における化学療法の効果を予測します10

SWOG 8814
タモキシフェンまたはタモキシフェン+CAFによる治療を受けた閉経後のホルモン受容体陽性、リンパ節転移陽性の浸潤性乳癌患者367人の保存検体を用いた前向き解析。約62%は陽性リンパ節転移1~3個、残りは4個以上でした。平均年齢は60歳(範囲42~81歳)、患者の20%はPR陰性、64%は腫瘍径2~5 cmでした。

参考文献:
1. Asad J, Jacobson A, Estabrook A et al. Does Oncotype DX recurrence score affect management of patients with early –stage breast cancer? Am J Surg. 2008; 196: 527–529.
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5. SS Lo, PB Mumby, J Norton, K Rychlik, J Smerage, J Kash, HK Chew, ER Gaynor, DF Hayes, A Epstein, KS Albain. Prospective Multicenter Study of the Impact of the 21-Gene Recurrence Score Assay on Medical Oncologist and Patient Adjuvant Breast Cancer Treatment Selection. J Clin Oncol. 2010; 28(10):1671-1676.
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7. Geffen DB, Abu-Ghanem S, Sion-Vardy N, Braunstein R, Tokar M, Ariad S, Delgado B, Bayme M, Koretz M. The impact of the 21-gene recurrence score assay on decision making about adjuvant chemotherapy in early-stage estrogen-receptor-positive breast cancer in an oncology practice with a unified treatment policy. Ann Oncol. 2011 Mar 1. [Epub ahead of print]
8. Henry L, Stojadinovic A, Swain SM et al. The influence of a gene expression profile on breast cancer decisions. J Surg Oncol. 2009; 99: 319–323.
9. Dowsett M, Cuzick J, Wale C, et al. Prediction of risk of distant recurrence using the 21-gene Recurrence Score in node-negative and node-positive postmenopausal patients with breast cancer treated with anastrozole or tamoxifen: a TransATAC Study. J Clin Oncol. 2010;28:1829-1834.
10. Albain K, Barlow W, Shak S, et al. Prognostic and predictive value of the 21-gene recurrence score assay in postmenopausal women with node-positive, oestrogen-receptor-positive breast cancer on chemotherapy: a retrospective analysis of a randomised trial. Lancet Oncol. 2010;11:55-65.

American Society of Clinical Oncology (ASCO) [アメリカ臨床腫瘍学会(ASCO)]およびASCOはASCOの登録商標で、National Comprehensive Cancer Network (NCCN) [全米総合癌情報ネットワーク(NCCN)]およびNCCNはNCCNの登録商標です。 ASCOとNCCNは、いかなる治療用製品も支持するものではありません。

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