浸潤性乳癌

概要:早期浸潤性乳がんに化学療法を使う?使わない?

Oncotype DX Breast Recurrence Score

もしあなたが最近、早期のエストロゲン受容体陽性(ER+)浸潤性乳がんと診断されたのなら、主治医*と治療選択肢について話し合うことになるでしょう。治療計画の中で、ホルモン療法(タモキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬)に加えて補助化学療法(化学療法)を受けるか受けないかという選択肢を提示されるかもしれません。あなたの乳がんに最適な治療法を選択することが重要ですので、あなたにとって正しい決断を下すために、化学療法のリスクと効果を主治医とともに比較検討しなければなりません。

早期乳がんに対する最良の治療法を考えるとき、医師は通常、あなたの年齢、健康状態、個人的状況、がんの大きさやグレード(悪性度)、そしてリンパ節への転移の有無などを考慮します。Oncotype DX®検査は、あなたの実際のがん細胞の生物学的性質を調べることにより、あなたのがんの性質に特有の追加情報を提供し、あなたと主治医が化学療法を使うかどうかについて、より多くの情報に基づき、あなたに合った決断を下すのを助けることができます。

Oncotype DX検査は、がん組織の21遺伝子の発現を調べることで乳がんの個別の性質を分析する分子診断検査です。この分析の結果から再発スコア™結果を計算します。再発スコア結果は0から100までの数字で表され、あなたの乳がんが診断から10年以内に再発する可能性について、そして恐らくさらに重要な、あなたに化学療法がどのくらい有効かについての、情報を提供することができます。

Oncotype DX検査は、あなたの最初の手術(コア生検、乳腺腫瘤摘出術、乳房切除術)で切除した組織を少量使って実施しますので、この検査のために追加の手術や処置を受ける必要はありません。

2004年に提供を開始して以来、90か国以上の国から70万件に近いOncotype DX乳がん検査のオーダーを受けています。OncotypeDX検査は、4,000人を超える浸潤性乳がんの患者様を対象とした複数の試験で研究と検証を繰り返されてきました。

医師はOncotype DX乳がん検査をいつオーダーするのでしょうか?

乳腺外科医は手術で乳がんと周辺組織を切除し、これを病理医が検査して保存します。病理医はがん組織の一部を検査のために準備し、Genomic Health®社(Oncotype DX®検査を開発した企業)の研究所に送ります。そうするとOncotype DX乳がん検査の結果が、オーダーした医師*に報告され、あなたと主治医があなたのがんに特有の性質に基づいて治療計画を立てるのに役立てられます。

検査結果を得るために、新たに負担になる処置を受ける必要はありません。

主治医は、Oncotype DX検査があなたにとって正しい選択かどうかを判断するのを助けてくれる貴重な存在です。

*乳腺外科医またはがん専門医

 Oncotype DX

Oncotype DX®乳がん検査はどのようにして開発されたのですか?

Oncotype DX®がん検査はGenomic Health®社という企業により開発されました。Genomic Healthの研究者は、検査に適した21の遺伝子パネルを研究・開発しました。このうち16遺伝子が乳がんに関係するもので、残りの5遺伝子はそれぞれの患者様における発現を標準化するために加えられました。何百もの検体の分析を経て、開発チームは、これらの重要な遺伝子のそれぞれの発現レベルを組み込んだ計算式を考案しました。この式から、その患者様の再発リスクを予測する再発スコア™結果が導き出されます。再発スコア結果は、その正確さを確認するために、複数の臨床試験で検証されました。これまでに13の試験で4,000人を超える患者様のがんが分析されています。遺伝子発現の分析技術とこの計算式の2つが、Oncotype DX乳がん検査の鍵となっています。

 Breast Cancer Patient Joyce

臨床試験

TAILORx試験

TAILORx試験においてポジティブな結果:Oncotype DX再発スコア™結果が低値であった女性の99%がホルモン療法単独で5年経過後に乳がんの再発を認めず。

2015年9月28日、Trial Assigning IndividuaLized Options for Treatment (Rx) (TAILORx)試験の初期結果が発表されました。この試験は、米国国立衛生研究所の一部である国立癌研究所(NCI)の委託により、ジェノミックヘルス社の支援を受けたECOG-ACRIN癌研究グループ(ECOG-ACRIN)主導の、早期乳がん女性1万人以上を対象とした多施設共同前向き試験です。この試験では、21遺伝子再発スコア(Oncotype DX再発スコア)結果が10以下という低値であり、化学療法を併用せずホルモン療法しか受けなかった群の5年遠隔再発率が1%未満であったことが実証されました。

オンライン版New England Journal of Medicine誌に発表されたこの結果は、再発スコア結果が10以下の女性は、今後ホルモン療法のみで有効に治療し得ることの根拠を示しています。原発乳がんの再発よりも二次原発がんの発生が多かったため、試験の主要評価項目である5年無病生存率は93.8%でした。

筆者らはこの論文の中で、

「ホルモン受容体陽性、HER2陰性、腋窩リンパ節転移陰性の乳がん患者を均一に治療した今回の前向き試験は、術後化学療法を省略しても安全と思われる患者を特定するという点における21遺伝子検査の臨床的妥当性を裏付けている。」1

と述べています。

TAILORx試験の詳細については、ECOGのウェブサイトをご参照ください。

 

RxPONDER試験(SWOG S1007)

2011年1月に開始されたRxPONDER(Rx for Positive Node, Endocrine Responsive Breast Cancer[リンパ節転移陽性・内分泌療法反応性の乳がんに対する治療])試験は、Oncotype DX再発スコア™結果が低値から中間値のリンパ節転移陽性乳がんの患者様に化学療法が効くかどうかを明らかにするために行われています。この試験は、このような患者様に化学療法を勧めるかどうかを決める目安となる再発スコアの最適な境界値というものが存在するかどうかも探ります。

この試験はSWOGが実施していて、米国の国立がん研究所より助成を受けた主要な共同研究グループが参加しています。

この研究では、1~3個のリンパ節への転移が判明しているホルモン受容体陽性、HER2陰性の早期乳がんかつ、再発スコア結果が25以下の女性4,000人を登録することを計画しています。再発スコア結果がこの範囲の4,000人を見つけるためには、9,000人を超える乳がんの患者様をスクリーニングしなければならないと予想されています。

リンパ節転移陽性乳がんの患者様へのOncotype DX検査の使用は、前のSWOG主導試験のSWOG 8814、ECOG 2197、TransATACなど複数の試験で検証済みです。この検査は2008年から実際の診療でリンパ節転移陽性乳がんの患者様に使用できるようになっていて、米国ではこのような患者様に対しても保険償還されています。

RxPONDER試験に関する詳細は、SWOGのウェブサイトをご覧下さい。

 

参考文献:
1. Sparano et al. New Engl J Med. 2015. Prospective Validation of 21-Gene Expression Assay in Breast Cancer New Engl J Med

*乳腺外科医またはがん専門医

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